事故で命を落とした青年が、50人もの命を救う。臓器提供を決断した母の思い

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イギリスで暮らすトム・ウィルソン( 22)さんは、大学を卒業後、社会人の一歩を踏み出したばかりでした。

人生これからというその時、トムさんに悲劇が襲います。

 
 

父親の影響を受け、幼い頃からホッケーに親しんできたトムさん。

いつものようにホッケーの練習に出ていたトムさんは、ホッケーのスティックで後頭部を強打される事故に遭ってしまいました。

 

幸せな家族に、突然起きた悲劇

イギリスのホーンチャーチに暮らすウィルソンさん一家は、家族仲睦まじく、幸せな家庭を築いていました。

地元の学校で教頭を務めているリサさん(53)には、夫のグレアムさん(63)との間に、長男のトムさん(22)長女のピッパさん(21)と、2人の子どもがいました。

夫のグレアムさんはホッケーのコラムニストであり、全国紙にコラムを書いています。

その影響もあって、2人の子どもは幼い頃からホッケーに親しんできました。

大学を卒業し、現在、測量技師の研修生のトムさんは、チグウェルという町でホッケーのクラブチームに参加し、毎週火曜日と木曜日には、練習に励んでいたといいます。

ある日、トムさんに悲劇が襲います。

 
 

いつものようにホッケーの練習に出ていたトムさんは、ホッケーのスティックで後頭部を強打される事故に遭ってしまいました。

連絡を受けたリサさんは、大急ぎで夫のグレアムさんと練習場へ向いました。

ですが、トムさんは脳内出血が激しく意識不明に陥っていました。

搬送先の病院でMRI検査の結果、医師から「出血がひどく手の施しようがない」と宣告され、リサさんとグレアムさんは絶望しました。

長女のピッパさんもバーミンガムの大学から急きょ病院へ駆けつます。

意識不明のトムさんが横たわるベッドの側で、家族は祈るしかありませんでした。

 

トムさんの死後、家族が決断した1つのこと

そんな時、グレアムさんは「臓器移植」のことを口にしました。

脳死して助かる見込みがないのならと、思ったのでしょうか。

病院のドナー専門家に調べてもらったところ、トムさんは大学在籍中にドナー登録をしていたことが明らかになります。

ピッパさんは最初、最愛の兄の臓器提供に抵抗を感じました。

ですが、”それがトムさんの願いでもあったのなら…”と、最終的に家族全員が臓器移植に同意しました。

トムさんは、脳に相当なダメージがあったものの、酸素は全身に行き渡っていたため臓器は完璧に機能していました。

家族から同意を得た病院側は、トムさんの脳死を2回に渡り確認すると、臓器摘出の手術を行いました。

 

”約50人の命を救ったことを誇りに思う”

トムさんの葬儀が行われ、650人もの人々が参列しました。

最愛の家族を亡くした傷は癒えることのないまま、ウィルソンさん一家にさらなる悲劇が襲います。

その葬儀からおよそ一ヶ月後、夫であるグレアムさんが病に倒れてしまいます。

病院に入院したグレアムさんはその後の検査で脳腫瘍と診断され、化学療法を受けたものの敗血症に感染してしまい、帰らぬ人となってしまったのです。

しかし、リサさんは”私はトムとピッパの母親だ”という意識を強く持ち、どんな時でも気丈に振る舞ってきました。

その後、愛する息子の臓器が約50人の命を救ったことを誇りに思うと英メディア『Mail Online』に語りました。

「病院から聞いた話」というリサさんによると、トムさんの心臓は60歳の男性へ、肺は21歳の女性に移植されました。

また、トムさんの肝臓は命の危機に晒されていた2歳の幼児を救ったといいます。

そのほか、トムさんの腎臓、膵臓などの主要臓器、足の長骨、皮膚、心臓弁や組織などが、多くの人に移植され彼らの命を救ったのです。

今年は、家族2人だけのクリスマスを静かに迎えるとリサさんは話します。

しかしトムさんの臓器が多くの人の命を救ったという事実は、残された家族にとって誇れることに違いありません。